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コラム

ミュージアムレビュー

江戸東京博物館特別展【大妖怪展】

和田浩一郎

「文化遺産の世界」編集部員

両国の江戸東京博物館では、「大妖怪展」が開催されています。絵巻物や浮世絵、近世以降の書物に描かれた「妖怪」たちを時代順に紹介する構成で、夏休みらしい企画といえます。

大妖怪展s

人ならざるものを具体的なイメージで表現することは、世界中のあらゆる時代に見られます。本特別展でも日本の「妖怪」のスタートを示す資料として、縄文時代後期の土偶が展示されていました。描かれてきた「妖怪」は実に多様です。特に古道具たちが変化した付喪神(つくもがみ)が繰り返し描かれてきたことは、たいへん面白く感じました。モノに魂が宿るという発想は、今でも私たちのなかに根付いていると思いますが、非常に古くから広く信じられてきた考えであることが実感できました。

絵巻物や綴じ本は全体が見たいものですが、展示の都合で部分的にしか見られないのは残念です(特別展のカタログでは全体を紹介する工夫が行われています)。また「妖怪ウォッチ」を展示の一部に組み込むなど、子供の興味を惹くことも想定されているようですが、パネルの内容が難しかったり、展示ケースの高さが高いところは工夫が欲しかったです。とはいえ、面白い企画であることは間違いありません。ゾクッとするほど真に迫った幽霊画から、ユーモラスな「かんの虫」まで、見ていて飽きません。途中で一部展示換えがありますので、行かれる方は博物館のサイトで確認することをお奨めします。

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