世界遺産

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入門・解説

世界遺産

「世界遺産」とは、地球の生成と人類の歴史によって生み出され、過去から現在へと引き継がれてきたかけがえのない宝物である。現在を生きる世界中の人びとが過去から引き継ぎ、未来へと伝えていかなければならない人類共通の遺産である。

世界遺産は、1972年の第17回ユネスコ総会で採択された「世界遺産条約」(正式には「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」)の中で定義されている。2015年7月時点で、世界遺産は1,031件(文化遺産802件、自然遺産197件、複合遺産32件)、条約締約国は191カ国である。

「世界遺産条約」の誕生と「世界遺産」の種類

1960年代、ユネスコはアスワンハイダムの建設によってナイル川流域にあったヌビア遺跡を水没の危機から救うために、この遺跡群を移築して保存する救済キャンペーンを行った。このときに「人類共通の遺産」という世界遺産条約の基本的な考え方が広がり、1972年、「世界遺産条約」の採択へとつながっていった。

 

「世界遺産」には三つの種類があり、有形の不動産が対象である。

【文化遺産】

顕著な普遍的価値を有する記念物、建造物群、遺跡、文化的景観など。

例)インドの「タージ・マハル」、ドイツ連邦共和国の「ケルン大聖堂」など。

【自然遺産】

顕著な普遍的価値を有する地形や地質、生態系、絶滅のおそれのある動植物の生息・生育地など。

例)タンザニア連合共和国の「キリマンジャロ国立公園」、アメリカ合衆国の「イエローストーン国立公園」など。

【複合遺産】

文化遺産と自然遺産の両方の価値を兼ね備えているもの。

例)ギリシャ共和国の「メテオラ」、グアテマラ共和国の「ティカル国立公園」など。

登録までの流れ

①条約締約国の推薦

国内の世界遺産候補物件リスト(暫定リスト)の中から条件が整ったものを世界遺産委員会に推薦。

②専門機関による調査

文化遺産は「イコモス-ICOMOS(国際記念物遺跡会議)」、自然遺産は「IUCN(国際自然保護連合)」が調査。

③世界遺産委員会(原則年1回)

専門機関からの報告書をもとに世界遺産リストに登録するかどうかを決定。世界遺産委員会は、条約締約国21カ国の代表から構成され、新規に世界遺産に登録される物件や拡大物件、「危機にさらされている世界遺産」(危機遺産)などの登録および削除、また、登録された遺産のモニタリングや技術支援、ワールド・ヘリテージ・ファンド(世界遺産基金)の用途などを審議、決定を行っている。

わが国の世界遺産(平成27年7月現在 合計19件)

(1) 法隆寺地域の仏教建造物(奈良県)(世界文化遺産、平成5年記載)
(2) 姫路城(兵庫県)(世界文化遺産、平成5年記載)
(3) 屋久島(鹿児島県)(世界自然遺産、平成5年記載)
(4) 白神山地(青森県、秋田県)(世界自然遺産、平成5年記載)
(5) 古都京都の文化財(京都府、滋賀県)(世界文化遺産、平成6年記載)
(6) 白川郷・五箇山の合掌造り集落(岐阜県、富山県)(世界文化遺産、平成7年記載)
(7) 原爆ドーム(広島県)(世界文化遺産、平成8年記載)
(8) 厳島神社(広島県)(世界文化遺産、平成8年記載)
(9) 古都奈良の文化財(奈良県)(世界文化遺産、平成10年記載)
(10) 日光の社寺(栃木県)(世界文化遺産、平成11年記載)
(11) 琉球王国のグスク及び関連遺産群(沖縄県)(世界文化遺産、平成12年記載)
(12) 紀伊山地の霊場と参詣道(三重県、奈良県、和歌山県)(世界文化遺産、平成16年記載)
(13) 知床(北海道)(世界自然遺産、平成17年記載)
(14) 石見銀山遺跡とその文化的景観(島根県)(世界文化遺産、平成19年記載)
(15) 小笠原諸島(東京都)(世界自然遺産、平成23年記載)
(16) 平泉-仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群(岩手県)
(世界文化遺産、平成23年記載)
(17) 富士山-信仰の対象と芸術の源泉(静岡県、山梨県)(世界文化遺産、平成25年記載)
(18) 富岡製糸場と絹産業遺産群(群馬県)(世界文化遺産、平成26年記載)
(19) 明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業(岩手県、静岡県、山口県、福岡県、熊本県、佐賀県、長崎県、鹿児島県)(世界文化遺産、平成27年記載)

pic_column03_01図1 わが国の世界遺産の所在地 ※1 青丸=文化遺産、赤丸=自然遺産 ※2 ⑲「明治日本の産業革命遺産」の構成資産は岩手県、静岡県、山口県、福岡県、熊本県、佐賀県、長崎県、鹿児島県にも所在

わが国の「暫定リスト」記載物件(平成27年7月現在 合計10件)

(1) 古都鎌倉の寺院・神社(平成4年記載)
(2) 彦根城(平成4年記載)
(3) 飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群(平成19年記載)
(4) 長崎の教会群とキリスト教関連遺産(同上)
※2016年の第40回世界遺産委員会にて世界遺産登録が審議される予定。
(5) 国立西洋美術館本館(同上)
※わが国を含む7カ国で共同推薦している「ル・コルビュジエの建築作品」の構成資産の一つ。2016年の第40回世界遺産委員会にて世界遺産登録が審議される予定。
(6) 北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群(平成21年記載)
(7) 「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群(同上)
(8) 金を中心とする佐渡鉱山の遺産群(平成22年記載)
(9) 百舌鳥・古市古墳群(同上)
(10) 平泉-仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群(拡張申請)

公開日:2016年1月13日最終更新日:2016年1月13日

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