Vol.31
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「織物のまち桐生」が織りなす歴史的風致
表情豊かな紋様を織りなす桐生織
桐生市は群馬県の南東部に位置します。桐生における織物の歴史は古く、和銅7(714)年に朝廷に織物の一種である「あしぎぬ」を納めたことが『続日本紀』に記されています。近世には、幕府の厚遇を受け、「西の西陣 東の桐生」と称されるほど、近代にかけて隆盛を誇りました。織物で栄えた町並みは、桐生新町重要伝統的建造物群保存地区をはじめ、各地に残る200棟以上のノコギリ屋根工場が、その一端を今に伝えています。一部では今でも織機の音を響かせながら伝統的工芸品桐生織等の生産が続けられ、こうした町並みを背景に桐生祇園祭などの伝統的な祭礼も継承されています。