
Vol.31
Vol.31
51
会津仏教文化発祥の地
史跡「慧日寺跡」に復元された金堂において開催される「ともし火と仏教声明の夕べ」。徳一菩薩の憶いを感じる。
磐梯山の山懐に抱かれる霊験あらたかなこの地は、万葉集に詠まれた会津嶺の国の郷として発展し、山岳信仰に基づいたさまざまな営みが今日に根付いています。平安時代初期に南都法相宗の僧・徳一により霊峰を仰ぎ見るこの地に創建された慧日寺は、中世にかけて大きく寺勢を広げ、町域は一大仏教都市として繁栄し、会津仏教文化の礎となりました。近世以降は農村として生活が営まれていきますが、農耕文化を伝える赤枝彼岸獅子舞や舟引き祭りと巫女舞、地区の祭礼が賑わいを伝えています。こうした歴史的背景をもとに継承された建造物や営みは、磐梯町固有の歴史的風致を形成しています。