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西海考古同人会編『西海考古』第11号
『西海考古』は、長崎県に関連した考古学テーマを中心に県内外の考古学研究者、愛好者が互いの研究を披瀝する同人誌として、同会が編集し、号を重ねてきた。
創刊は1999(平成11)年4月で、ここで紹介する第11号は2020(令和2)年12月に刊行された。
掲載された7本の論文や研究ノートなどの執筆者やタイトルは下記のとおりである。
「九州北部における一野式系土器の空間的な展開」・・・・・・・・・・・・・・・・・大坪 芳典
―高並垣式土器・陽弓式土器との関係―
【概要】島原市の遺跡名を冠した一野式土器(縄文早期)の分布および同土器と併行する北部九州の土器群を明らかにした論攷。
「大形成人用甕棺墓分布周縁地域の社会」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・古門 雅高
―長崎県本土部の弥生時代社会―
【概要】墓制と集落、祭祀、威信財、生業という4つ観点から長崎県本土部の弥生時代社会を考察した論攷。
「滑石製石錘について」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・土岐 耕司
【概要】弥生時代から古墳時代の玄界灘沿岸に九州型石錘が広く分布するように、筆者は当地の古代末から中世にかけて滑石製石鍋に併行する滑石製石錘が存在することを指摘し、その抽出、集成、用途の検討を行った論攷。
「長崎の基層文化と表層文化」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・宮﨑 貴夫
【概要】「長崎県庁跡地遺構を考える会」に関わった筆者が、長崎の歴史的、文化的な多様性や多面性を考察するとともに、将来の長崎を展望した論攷。
「長崎県考古学の三つの課題」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・宮﨑 貴夫
【概要】長年、長崎県の埋蔵文化財に関わってきた筆者が「 近世城郭跡および城下町遺跡」「長崎遺跡群」「近世遺跡」の3つのテーマを通して本県考古学の課題を説いた論攷。
【研究ノート】「西北九州における弥生時代開始期墓制について」・・・・・・・・・・大庭 孝夫
【概要】 最新の支石墓研究の成果に照らし、本県の弥生時代開始期の墓制を立地、墓地構成、系譜から考察し、さらに支石墓の伝播と海人との関係も検討した論攷。
【老朗漫筆】「長崎・佐賀・福岡県域における支石墓の立地について」・・・・・・・・渡邊 康行
―表層地質との関係から考えたこと―
【概要】弥生時代早期の支石墓の立地と、表層地質との相関を指摘し、両者の相関が示唆する様々な問題を探求した論攷。
なお、本誌はPDFを公開しているので、本サイトからもダウンロードが可能である。
こちらからPDFが開きます。 *サイズが9MB以上ありますので、通信環境の良い場所でダウンロードをお願いいたします。
公開日:2021年10月5日