Vol.39

アコリス遺跡が解き明かす 古代エジプトの世界

エジプト中部のアコリス遺跡では、日本の研究者が主体となり、40年にわたる考古学調査が行われてきた。 この遺跡は居住域、墓域、採石場など複合的な要素を備え、青銅器時代の終わりから鉄器時代のはじめ(紀元前12世紀~紀元7世紀)という時代の転換期に、古代エジプトの地方都市でどのような営みがあったのかを伝える稀有な存在である。 古代エジプトといえば、巨大な建造物やきらびやかな財宝、著名な王たちなどが注目されがちだが、アコリス遺跡は文明の根幹を支えた庶民の実像を生き生きと伝えており、そこに大きな魅力がある。 今回の特集では、アコリス遺跡の調査に参加した11名の研究者の報告を紹介する。

表紙タイトル:「赤い砂」

画家:山﨑 美樹/Miki Yamasaki
1963年高知県生まれ。
多摩美術大学絵画科油絵専攻卒業。TAC(Tama Artist and Citizen)ネットワーク会員。インスタレーション・サイトスペシフィックアート作家。地域社会と連携した野外空間での表現活動を展開。